祖母を想いながら過ごした時間

ここ十数年はとても忙しくしていて、他界した祖母のお墓参りへ行くのは、お墓のある熊本へ帰省した時だけでした。

しかし家族の事情も色々とあるもので、私を含めた他の家族は愛知へ引っ越し、父のお墓も愛知へ、祖父母を含む先祖のお墓は熊本に残り、離れ離れに。

私の体は十七の時から既に病があり、それから二十年ちょっとたった今もあれこれと病が追加され、熊本へ行く為の体調を整えることが難しくなってしましました。

最近は持病のお薬が変わってますます自由が効かないのんびりペースな感じなので、今年の祖母の命日は、自宅で手を合わせることに。

まずお供えに選んだお菓子はこれ。

祖母は、この「ホワイトロリータ」というブルボンのお菓子が好きで、私とのおやつによく買ってきてくれていました。

買い物をした後に持って帰る時に、買い物袋の一番上にふわっと置いて持って帰っていた様子は今でもよく覚えています。

祖母は贈り物をする時でも包装紙のデザインが良いお店で買うタイプだったので、普段のお菓子のパッケージデザインに対してもこだわりを持っていたように思います。

そんな思い出の詰まったこのブルボンのお菓子は、三十数年前から変わらず販売されていて、これを見る度に祖母を思い返しています。

そして次にお供えのお菓子に選んだのは、マドレーヌです。

マドレーヌは、祖母の友人から度々手作りのものを頂いていました。祖母の友人は手作りで優しく焼き上がったマドレーヌを透明でつるつるキラキラとした袋に入れて、ラッピングをして毎回渡してくれていました。

頂く数は、たいてい二〜三個。

当時は家族皆で暮らしていた為、その頂いたマドレーヌは祖母と私でこっそりと急いで食べて楽しんでいました。

「今日のも美味しいね〜!」と目を輝かせながらマドレーヌを食べている祖母との時間は、今も他の家族には話していません。

そうこうしていると、夫がすぐにお供えのお菓子を買って来てくれました。

「ごっさま」という名古屋の老舗和菓子店のおまんじゅうです。

これを選んだ理由を温かい口調でゆっくりと伝えてくれて、お墓のある方角に向かってゆっくりと手を合わせてくれました。

夫が手を合わせてくれている姿を見ると、一言では言い表せない、様々な感情に包まれます。

私も祖母と同じように、良い人と出会う事ができました。伝わっていると思います。

そんな夫からのお菓子にはさすがに胸がいっぱいで、少しの間手元に置いて眺めていました。

この「ごっさま」にも夫との軌跡が詰まっており、いろいろなことが起きながらも祖母が託してくれた想いを今に紡ぐことが出来ているかな…と思うと、ようやく封を開けられたところです。

私はいつも、誰かに支えられています。

今日の目標は、夫と二人で梨を食べること。それと、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」をピアノで弾くことです。

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